人生は一度だけ

一度だけの人生を思い切り楽しむために。

東海道五十三次徒歩の旅 10日目(掛川〜袋井〜磐田)

10月21日

 
6:30
起床。
 
この旅をしていると寝つき寝起きがやたらに良い。
 
吾妻ひでお失踪日記で「体を動かす仕事をするとよく寝られるからいい」という話があったが、まさにこれだなと思う。
 
まあ吾妻氏の場合は尊い肉体労働だが、ぼくの場合は無職の戯れ事なんですけどね。
 
とりあえずホテルの朝食を食べ、しばし休憩。
 
早めに出るはずが、テレビのニュースで「名古屋の奴隷おじさん」の話が気になってついつい出そびれてしまう。
 
 
 
8:20
ようやく出発。今日は袋井を抜けて磐田を目指す。
 
15分ほど経ったところで、掛川城を見るのを忘れたことに気づくが今更引き返せないので諦める。
 
 
 
9:05
静岡で有名なファミリーレストラン「さわやか」に遭遇する。入りたいがまだやってなかったので諦める。
 
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入りたかった
 
 
9:25
西掛川駅を越えてしばらくしたところで旧東海道へ。
 
旧東海道は狭いわりに交通量が多い道がよくあり、ここもそういった地帯なので気をつけて進んでいると、仲道寺というお寺があった。
 
江戸と京都の半分にあるということで仲道らしい。せっかくなのでお参りしていく。
 
境内には同じく東海道を散策していると思われるおじさん一人、おじいさん二人がおり、挨拶を交わす。
 
その後、お寺の階段に座って少し休んで出発したら、もう彼らの影はなくその後追いつくこともなかった。
 
向こうが健脚なのか、それともこちらが足の痛みで遅くなってるのか…。
 
 
 
10:00
同心橋を渡り袋井市に入る。
 
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この辺にあった説明書きで、旧東海道を歩いているとよく見かける松並木は旅人を強い陽射しから守るために植えられたのだと知る。
 
実際、松並木の影が陽射しをかなり和らげてくれており歩く手助けになっていた。
 
てやんでえ、お上もずいぶんと粋なことをしてくださるじゃねぇか。
 
 
 
11:00
袋井宿に到着。
 
ど真ん中茶屋という公営の休憩所があり、中にいたおじさんに招き入れられ、お茶をご馳走になる。
 
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お茶を飲みながらいろいろと説明を受けていると、最終的にかなりの量のパンフレットを渡されてしまう。
 
正直、荷物はギリギリまで削っている状態なのでいらないのだが、その場では言えなかった。どうするかな…。
 
 
 
 
11:30
袋井宿の名物「たまごふわふわ」を食べる。
 
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その名の通りふわふわの卵の下に、しっかりした味の出汁が張ってあり、ムース状の茶碗蒸しという感じだった。これは東京でも食べたい。
 
店を出るときになぜかキャラメルを貰ったので歩きながら食べる。普段はカロリー制限的に甘いものをあまり食べないようにしているのだが、この旅だといくら取っても大丈夫な気がする。
 
それにしても、この袋井宿は五十三次の宿場町でも二十七番目にあり、そのことを「ど真ん中」という言葉を持って誇りにしているようだ。
 
先ほどの茶屋はもちろんのこと、小学校にもこんな看板がかけてあった。
 
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東小学校と西小学校があり、どちらもど真ん中小学校を標榜しているのだが、そのうちその間に「真のど真ん中小学校」が出てきそうですね。
 
 
 
12:35
このあたりが今日のハイライトになる。
 
今回の旅において、磐田市で達成しようと思っていたことが2つあり、ひとつは磐田市ゆるキャラ「しっぺい」のグッズを買うこと。そしてもうひとつはB級グルメ「おもろカレー」を食べることだ。
 
そして店はもう決めていた。だが、ランチ営業時間は14時まで。そしてここからお店までは5km以上はある。
 
このままでは間違いなく間に合わない。
 
しばし逡巡したが、思い切ってスピードを上げることにした。
 
とは言え、走ることができるほど足が回復していないし、万が一怪我したら旅が終わってしまう。
 
いま出せる力のギリギリを探りつつ、できる限りのスピードで歩く。はたから見たら明らかにおかしい人になっていたと思う。
 
ちなみに途中にあった見付宿はそういう事情でほぼスルーになってしまった。
 
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おもろカレー!
 
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おもろカレー!
 
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ハァハァ…坂キツイ…おもろカレー!
 
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見付宿寄る暇ない…おもろカレー!
 
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磐田入ったのにまだ結構かかる…おもろカレー…
 
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おもろ…カレー…
 
精魂尽き果て、店に着いたときはなんと
13:50。ランチタイムギリギリだったがなんとか間に合う。お店の人は快く迎え入れてくれた。
 
時間も時間なので他に客はなく、待望のおもろカレーを一人だけの店内で心静かに食する。
 
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これは…ここまでの苦労を加味しなくとも文句無しにうまい!
 
おもろとは豚足のことで、トロトロの食感が癖になり、酸味のあるさらっとしたルーもすべて地のものという野菜もうまい。
 
脳内審査員の満場一致で心のベストテン(カレー部門)にランクインした。欲を言うとおもろがもっと入っていると良かったかな。
 
満足してお店を出たあとは、もう急ぐ必要はないので、必要以上にゆっくりと歩き磐田駅に向かった。
 
 
 
14:20
駅前の観光案内所でしっぺいグッズを大量に買う。
 
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工事していて入りづらかった
 
荷物増やしてどうすんだ、という脳内ツッコミもあったが、欲しいものはしょうがない。負担になったら送り返せばいいし…と自分に言い聞かせる。
 
残りは今日の宿泊地であるライダーズハウスKENさんに向かうだけだが、先ほどまで急ぎ足で体力を消耗したことによるものか、思うように体がついて来ず、6kmほどの道に2時間以上かけて進むこととなる。
 
 
 
17:00
磐田の中心から離れ、農地が続く。
夕日を見ながらラスト休憩
 
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17:10
ライダーハウスKENさんにようやく到着。人生初のライダーハウスだ。
 
宿のおかあさんとネコが迎えてくれた。
 
部屋に入り、おかあさんに説明を受けているとネコも一緒に入ってきた。
 
このネコ、やたらに人懐こいのはいいのだが、着替えようとして座り込んだときに膝に乗ってきて身動きが取れなくなってしまう。
 
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タイツ脱ぎたいんですけど
 
結局、このあと30分ほど座りっぱなしになってしまった。
 
 
 
19:00
今日はぼくの他に二人宿泊客がいるらしいが、ゆっくり風呂に入り着替えて出たあとも部屋には誰もいなかった。
 
ライダーハウスに併設のおかあさんがやっている居酒屋に行き、夕食を食べることにする。ライダーは1000円で夕食が食べられるらしい。
 
「ぼくライダーじゃないけどいいんですか?」
おかあさんに聞くと、
『うちに泊まってくれる人はみんなライダーです』
とありがたいお言葉をいただいた。
 
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大変美味しゅうございました
 
 
その後はお店の常連さんや残り二人の宿泊客であるライダーさん達と旅の話に花が咲き、すっかり遅くまで話し込んでしまう。
 
みな徒歩で東京から京都まで行くと話すと驚き応援してくれた。気がつくと日付を回りそうになっていたため、この日はブログを更新できず。
 
いわゆる雑魚寝だったが、みな疲れていたのか、電気を消すとあっという間に寝てしまった。