人生は一度だけ

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東海道五十三次徒歩の旅 4日目②(小田原〜箱根)

10月15日
 
◼︎小田原〜箱根湯本駅
午前3時。
 
健康ランドで思うように眠れなかったぼくは、今日一気に箱根を超えることにした。
 
まずは箱根湯本駅を目指して歩く。
 
当たり前だがまだ真っ暗だし、少し中心街を離れ幹線道路に入ると周囲には人影は全く見られなくなった。が、この時間でも車はそれなりに通っている。
 
ドライバーも平日のこんな時間から箱根方面にちょろちょろ歩いているバカがいるとは思わないだろう、何か対策が必要だ。
 
そう思いアレを取り出し、リュックに装着した。
 
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やっとこいつの出番が来た
 
100均で買った反射タスキ。効果のほどは不明だが、無いよりはマシだろう。
 
気温は肌寒いが、レインウェアを着るほどでも無いので、コンビニで暖かい飲み物を買って国道1号線を歩きはじめた。
 
途中、明かりがついている家があると思ったら豆腐屋だった。普段自分に関係無いだけで、深夜から活動しているのが日常な人達もいるのだと改めて気付く。
 
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歩き続けていると、小田原の蒲鉾で有名なすずひろのミュージアムショップがあったが、当然やっていなかった。
 
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思えばここまでの行程で地元の名物らしきものは全く食べていない。蒲鉾食べたい。
 
その後、ずっと右側の歩道を歩いていたら不意に途切れた。
 
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歩道橋を渡れというので渡ると、向こうにローソンが見えた。ちょうど空腹を感じてきていたのでおにぎりを買って外で食べる。
 
食べ物を胃に入れると胃腸が活動しはじめた感じがしたので、ついでにトイレも行くことにする。一度外に出たあとだったので店員に怪訝な顔をされたが、気にしている余裕は無い。トイレは行けるときに行っておく。これ鉄則。
 
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ローソンの向かいにデニーズもあった
 
時刻を確認すると午前4時15分。ふと空を見上げると、東京では見られない綺麗な星空が広がっていた。旅情みたいなものを噛みしめていると、いつの間にか早川のそばに出ていた。ということは、もう少しで箱根湯本の街のはずだ。
 
黙々と進んでいると、やがて前方に文明の光が見えてきた。
 
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電車だ!
つまり箱根湯本駅に到着したのだ。
 
 
 
◼︎箱根湯本〜芦ノ湖
しかしまだスタート地点に着いただけで、いよいよここからが箱根越えの本番だ。
 
箱根の山は以前に途中の宿まで徒歩で行ったことがあるが、ガードレールなどはなかったはずで、これまで以上に危険が予測される。
 
ここまで使う機会がなかったヘッドライトの出番が来たようだ。
 
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やっとこいつの出番が来た
 
また、山に入りかかっていることもあり、寒さがきびしくなってきていたので、レインウェアを上に着込む。
 
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やっとこいつの出番が来た
 
この旅における完全装備で、いざ箱根越えに挑む。
 
箱根湯本駅を越えて山道へ向かう途中にセブンイレブンがあった。ここから先にコンビニなどは期待できないので、お腹は空いていなかったがここでお茶とチョコバーを買った。
 
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早川沿いの旅館が軒を並べるエリアを抜ける。
 
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以前に行ったことのある、天山湯治郷を過ぎる。いよいよ登山道だ。時間は5時半頃、少し空が白みかけてきた。
 
時折来る車に警戒しつつ進む。途中、横の茂みからバキバキという枝折れ音がしばらく続きかなりびびった。猿だったのだろうか。
 
その後は特に何もなく、淡々と登り続けていると、ふと、左手に自然歩道の看板が出てきた。
 
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ガイドブックで調べてみると、この自然歩道は旧道ではないが、行った先で旧道に繋がるとのこと。
 
写真で見てもわかるが、まだ鬱蒼として暗い道に行くのは迷ったが、できる限り車道を歩きたくなかったので入ってみることにした。
 
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予想通りの暗い山道で、一人で歩くのはかなり不安になる。しばらくすると川に出た。
 
丸太が渡してあり、どうもこの川を渡るところまでルートに含まれているようだ。
 
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こんなところでわりとハードなアスレチックをするつもりはなかったので弱る。こんな状況で怪我をしたらその時点でアウトだ。
 
しかし引き返すのも大変なので慎重に慎重に渡る。
 
その先にある階段を登ると国道1号線に出たが、それを横断した先にまた自然歩道があった。
 
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どうやらここからが旧道らしく、森の中に石畳の道が続いている。
 
ようやくそれっぽくなってきたと思い、元気を出して歩き出すも、すぐに挫かれた。
 
この石畳、靴との相性が悪いのかやたら滑るのだ。
 
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石畳は基本的に黒い石と白い石で構成されており、8割方が黒い石なのだが、この黒い石がとにかく滑る。朝露で湿っているからなのだろうか?

 
とにかく怪我をしないように、黒くない石を慎重に選んで歩くことを強いられることとなった。
 
そこからしばらく「旧道を登る→国道を横断して次の旧道に入る」を繰り返していると、民家が見えてきた。
 
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畑宿という中継地点まで来たようだ。
 
まだ開いていない店のベンチを借り、腰を下ろして休憩を取っていると、ふと横にある看板が目に入った。
 
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どうやらまだ半分も来ていなかったようで、心底がっくりくる。
 
その後もこんな森の中の道とか
 
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相変わらず滑りまくる石畳を登りまくったり
 
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かなりきつい階段を上がったりして
 
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登りの難所と言われる七曲坂にたどり着く。
 
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その後もこんな坂やあんな坂、坂という名の階段などを登り続け…
 
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7時45分頃、甘酒茶屋に到着した。
 
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ここは江戸時代からやっている店らしく、その名の通りに旅人に甘酒を振舞っていたらしい。
甘酒は水分と栄養を同時に補給する当時のポカリスエットみたいなものだったらしい。
らしいばかりなのは全部聞きかじりだからです。
 
さすがにまだ誰もいないかと思ったら、掃除をしている方が。でもまだ準備中だよねと勝手に解釈し、店の軒先に座ってチョコバーを食べていたところ…。
 
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営業中の札が。やってんのかよ!
 
せっかくなので店の中に入り甘酒を注文。
 
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普通の甘酒と違い、甘すぎなくて美味しかった。なんでも酒粕を使わないからなんだとか。
 
お店の人に今日小田原から徒歩で来た、と告げると、徒歩登頂者帳への記名を頼まれたので快く応じる。ここまでただ黙々と歩いてばかりだったので、こういうことをするとなんか旅してるなぁという実感が湧いて嬉しくなった。
 
お店の人は最後に握手して見送ってくれた。
 
なんだか疲れが取れたというか、元気をもらった気がして、ここからはペースを上げて進む。
 
まだ登ったり下ったり坂は続いたが、膝に手を当て強く踏みしめ、上半身を思い切り前に倒すガウォーク歩法を途中で編み出すことでなんとか乗り切ることができた。
 
そして残りの坂を抜けると…
 
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とうとう芦ノ湖に!
 
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続きます。