東海道五十三次徒歩の旅 4日目③(箱根〜三島)
10月15日
芦ノ湖に着いたのは午前9時前だった。
ここまで登りきった感動が収まらぬ中、まずは箱根神社にお参りして、旅を無事終えられることを祈願する。
箱根神社は荘厳さと静謐さがあり、とても厳かな気持ちになれる場所だった。
途中で目の前に見えているのが富士山だと気付き、めちゃくちゃテンションが上がり写真を撮りまくった。
10時頃、下へ向けて歩き出す。多くの登山客は箱根から来て芦ノ湖で折り返すので、伊豆方面の道はマイナーらしい。行きも誰とも出会わなかったが、帰りも会わないんだろうな。
国道を逸れて旧道に。巨大な杉並木や箱根の関所跡を通っていく。
そして下りルートなのに坂を登ったりしてるうちに、道が一気に寂しくなってきた。
え、ここに入っていくの!?
鬱蒼とした茂みにかろうじて道があるというレベルだ。
そしてそこを抜けると広く車がびゅんびゅん走っている国道1号線に出るというギャップ。
正直ぼくはどちらも歩きたくありません。こういう企画じゃなかったら絶対に行かなかっただろうな。
この頃になると、寂しさを紛らわすためにiPhoneのスピーカーで音楽を流しながら歩くようになった。雰囲気も何もあったもんではないが、どうせ誰もいないからいいのだ。
だってこんな道ばかり続くんだもん。一人じゃやってられないって。
そんな感じで車にびびったり旧道にびびったりを2時間ほど続けていると、観光客的な雰囲気の人を見るようになった。
このあたりの山中城跡という場所が観光地らしく、食堂兼案内所があったので、休憩を兼ねて昼食を食べる。
食べ終わったら再出発だ。正直もう歩きたくないけど、進まないと宿に泊まることもできない。
また国道1号線と旧道のギャップをしばし繰り返す。ときには信号も横断歩道もないのに交通量の多いところを横断する羽目にもなった。
このあたりで疲労がかなり出てきて、特に左足首に痛みがある。下りの石畳の不安定な着地で挫いたのだと思われる。
騙し騙し進んでいると、ようやく民家があるエリアに入った。
ネコがお出迎えしてくれた
これで山下りが終わったと安堵したが、それは大間違いで、むしろここからが長かった。箱根越え下りルートは三島の中心街に着くまでずっと続くのだ。
痛む足を引きずりながら、道端で拾った枝を杖にして三島の街を進み続け、ようやく今日の宿泊地である三島大社付近に着いたときは既に16時半を回っていた。
足の痛みという犠牲は出たが、ともあれやり遂げた。自分へのご褒美に三島名物の鰻の弁当を買って食べた。
うめぇ…うめぇよ…
ホテルの近くの薬局で湿布を買ったら事情を聞いた店員のおばちゃんが試供品をたくさんおまけしてくれた。感謝!
足が痛くて部屋で落ち着いてからは外出はしなかった。部屋の中では這って移動するレベルなのだが、昨日はネカフェ泊まりのため洗濯ができなかったので、今日しなければならなかった。しかしランドリーが地下にあるため、何度も階段を行き来することになり泣きそうになる。
疲れていたので早く寝たかったが、洗濯がなかなか終わらず気がつくと22時過ぎ。荷物を整理したのち、足のあちこちに湿布を貼りまくって23時頃就寝した。
本当に長い1日だったなぁ。
箱根に行ったのに温泉にも入らず足を痛めてるとか、我ながら馬鹿ではなかろうか。