東海道五十三次徒歩の旅 おまけ(京都~大阪~東京)
■10/30 ゴール後
鴨川沿いに沿って1kmほど離れた今日の宿に向かって歩く。さすがに週末の京都は人出が多く賑やかで観光しないのはもったいない気がするが、やはり疲れているのでしばらく休憩したかった。
予約していた民宿にチェックインした後、畳の上で大の字になって、達成感ともう歩かなくていいという安堵感を噛み締める。その後、風呂に入って外に出た頃にはもう日が落ちはじめていた。
外に出てまず思ったのは「寒い」。静岡を旅していた頃は毎日陽射しが強く暑いくらいだったけど、ここ数日は風が強く、すっかり寒くなっている。
ここまでは寒くなったらレインウェアを着ればよかったんだけど、さすがに都会だとちょっと浮く。もう乗り物を解禁してもOKということで、早速近くでレンタサイクルを借りて河原町駅の駅前のユニクロへ行って上衣を買ってきた。
その後は移動手段も手に入れたということで、いったん宿に戻ってこの後どうするかを考える。
元々、京都では伏見稲荷大社で今後の就職などについて祈願するつもりで、明け方の静かな時間に行こうと思っていたのだが、関宿のゲストハウスで同宿した旅人さんから「伏見稲荷は夜がおすすめ」と聞いてから、夜に行くか朝に行くか迷っていた。
まあせっかくだし両方行ってみるか。
そう決心して自転車で30分ほどで走ると、ほどなく伏見稲荷大社に着いた。
大きい。街の中にこんな大きな神社があるのか。京都ってすごいな。
と、よくわかってない感じで感心しつつお参り。その後は千本鳥居へ行ってみた。
夜の千本鳥居は灯りに照らされてなんとも妖しい雰囲気を醸し出していた。が、周囲では修学旅行生や地元の不良たちが騒がしく気分が削がれたので、今日はここまでとしてまた明日出直してくることにした。
夕食は京都っぽいものを食べようと思ったものの、八つ橋しか出てこなかったため、迷った末、結局宿の近くのラーメン屋に行く。
京都ラーメンと看板にあったからまあいいか。
翌日に備え、早めに床についた。
■10/31 京都
午前5時にアラームが鳴り目が覚める。二度寝の誘惑に負けそうになったがなんとか体を起こし、また自転車に乗って伏見稲荷へ。
6時頃に到着。予想に反してこの時間からそれなりに人手があったが、朝はやはり静かで落ち着いて参拝できそうだった。早起きしてよかった。
昨日は気づかずに自転車を入り口近くに停めていたのだが、実は境内に駐輪場があった。
なのでそちらに移動すると、隅っこで寝袋で寝ている旅人らしき集団が。ひょっとしたら昨日から居たのだろうか。
寒くないのかな?と心配しつつ、満を持して千本鳥居を潜り、登る。
登る。
登る。
登る。
これは…思っていたよりもはるかにキツイ。正直ここまで登ると思っておらず、サポートタイツを履かずに来ていたので四の辻まで来たところでかなり疲れてしまった。が、いまさら戻るわけにもいかないので引き続き登る。
京都の街を一望、だいぶ空が白んできた。
またひたすら鳥居をくぐり、登る。
登る。
ようやく山頂。
良い仕事に就くことができるようにお祈りする。
千本鳥居には少し怖いというか異界的なイメージを持っていたのだが、地元の方がジョギングしていたり野良猫が愛想を振りまいたりしていて、朝はなんだかほのぼのした印象だった。
お狐様が出た!と思ったら犬だった
少し休んだ後、せっかくなので別の道を通って下山。本殿まで戻った頃には8時近くなっており、境内はすでにかなりの人で賑わっていた。
これで旅の目的はすべて済ませることができてほっとする。あとは無事に家まで帰るだけだ。
再び宿まで自転車で戻り、荷物をまとめて出発。レンタサイクルを返して、電車で河原町から大阪の梅田駅へ向かう。
あまり京都の町を散策できなかったのが残念だったな。またいつか来よう。
■10/31 大阪
電車の早さにびっくり。梅田駅の人ごみにびっくり。
普段は東京住まいなので人ごみには慣れているつもりなのだけど、しばらく山道とかを歩いていたせいか、大阪の都会っぷりと関西特有のエネルギッシュな雰囲気に圧倒される。なんていうか、東京よりも圧縮されている感じ。
今日は大阪から深夜バスで東京に帰る。大阪はこれまでも何度か来ているので特に観光はせず、難波のあたりを中心にぶらぶらと街を歩きながら、以前から気になっていた店で食事するなど食い倒れを楽しんだ。
特盛りえび天カレーうどん
たこ焼き
喫茶店でケーキセット
池波正太郎も愛したという華風料理の店で豚天シュウマイ定食
それでも最後は時間を持て余し、バスの出発時刻までネットカフェで時間を潰すことに。
そして23時、深夜バスに乗り込む。長かった旅もこれで本当に終わりだ。
なんだかんだで伏見稲荷の登山も合わせると、この日も結局4万歩近く歩いていた。
■11/1 東京
新宿でバスを降り、電車で自宅の最寄駅に着いたのは6時半ごろだった。
途中のマクドナルドで朝マックを二人分買い、特に何事も無く家まで帰る。
カノジョはぼくが家に入っても気づかずに眠っていた。旅の服を脱ぎ、寝間着に着替えるとベッドに潜り込んだ。
ずっと恋焦がれていた自宅のベッドだ。ああ、本当に帰ってきたんだなぁ。
旅から帰ってくると、いつも家がやっぱり一番だと思う。
それでもなぜかまた旅に出たくなる。
帰るところがあるからこそ旅に出るのだろうか。でもずっと帰らない旅人もいるよな。
そんなとりとめもないことを考えていると、深夜バスでそれほど眠れなかったこともあり、ほどなく眠りに落ちた。
これで本当に終わりです。さて、次はどこに行こうかな。
夕方まで寝て、夜は焼肉を食べさせてもらいました